福祉委員かわら版
216号 令和5年12月1日 発行冬季の入浴時は、ヒートショックに要注意!
今年も残り1ヵ月となり、年末に向けて慌ただしくなる時期になりました。また、風が冷たく、冬の寒さを感じられる日が続きます。
このような寒い時期、お風呂に入っていると、めまいや意識がもうろうとした経験はないでしょうか。
厚生労働省等の資料によると、毎年11月から4月にかけては、入浴中に意識を失い、浴槽でおぼれて亡くなってしまうといった不慮の事故が発生しやすくなります。
浴槽内での溺死者は、年代が上がるにつれて増加し、65歳以上の高齢者による死亡事故が多く、その数は交通事故死の約2倍になるそうです。
今回は、このような入浴中の事故が多くなる原因の一つである、ヒートショックについて紹介します。
ヒートショックは、暖かい部屋から寒い部屋への移動など、急激な温度の変化により血圧が上下に大きく変動することなどが原因で起こります。また、気温が下がる冬場に多く見られ、失神や不整脈のほか、最悪の場合は死に至ることもあります。
例えば、暖房の効いた部屋から冷え込んだ脱衣所に移動して衣服を脱ぎ、浴室が寒いまま、浴槽に入ることなどが要因となります。
特に65歳以上の方、心筋梗塞や脳梗塞などの脳疾患にかかった経歴がある方、高血圧や糖尿病などの持病がある方は、ヒートショックを発症しやすいため、注意が必要です。
ヒートショックを防ぐには?
安全に入浴するために、次のようなことに注意しましょう。
①入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
温度の急な変化を避けるため、入浴前は暖房器具などで脱衣所や浴室内を暖めておきましょう。
浴室に暖房設備がない場合は、浴槽にシャワーで給湯することや、浴槽の湯が沸いたところで十分にかき混ぜて蓋を外しておくなど、蒸気で浴室内の温度を上げることが効果的です。
②お風呂の温度は41度以下、浴槽につかる時間は10分までを目安にする
42度のお湯で10分入浴すると体温が 38度近くに達し、高体温等による意識障害を起こす危険があります。お湯の温度は41度にし、お湯につかる時間は10分までを目安にするなど、高温で長時間の入浴は避けるよう心掛けましょう。
また、冷えた体で直接浴槽に入ると急激に体温が上昇し、心臓や血管などに負担がかかってしまいます。かけ湯やシャワーで身体をゆっくりと温めてから浴槽に入ることが効果的です。
③浴槽から急に立ち上がらない
浴槽から急に立ち上がると、血圧が急激に上昇し立ちくらみや失神を起こす危険があります。
浴槽から出る時は、手すりや浴槽のヘリを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
④食後すぐの入浴、飲酒後や医薬品服用後の入浴は避ける
食後は、消化器官に血液が集中し血圧はやや低くなります。
また、飲酒直後は転倒しやすくなります。
食後すぐやアルコールが抜けるまでは入浴を避けるようにしましょう。
体調の悪い時や睡眠薬等の服用後の入浴も控えましょう。
⑤入浴前に、同居する家族等に一声掛ける
入浴中に体調不良等の異変があった場合は、家族などに早く気付いてもらうことが重要です。そのため、入浴前に家族などへ一声掛けてから入浴するようにしましょう。
また、家族などの同居の方は、「長時間入浴しているが、音がしない」「突然大きな音がした」などの異変を感じたら、すぐに声を掛けるように心掛けましょう。
以上が安全に入浴するための注意点でした。
家族や気にかけている方とお話しする機会がありましたら、今回紹介した内容についてもお伝えいただけたらと思います。
これから寒くなるため、自宅で過ごす時間が多くなります。
福祉委員の皆さんが、気になる方の家の近くを通る際、「郵便物が溜まったまま」など、いつもの様子と違うことがありましたら、区長さんや民生委員さん、社会福祉協議会までご連絡ください。また、福祉委員活動等で「どう対応したらいいかわからない」などのお困りごとがありましたら、社会福祉協議会にご相談ください。
皆さま体調には十分気をつけてお過ごしください。
令和5年度福祉会研修会『子どもと地域がつながり、支え合う』
近年、子どもへの支援・関わりの必要性が注目されている中で、うきは市においても、子ども食堂等をはじめ、子ども・多世代に向けた活動が行われています。
こうした活動は、地域での居場所づくりや関係性の構築といった地域づくりの側面もあることから、『子ども達を通じて地域がつながる』ことの大切さや地域との関わりが子ども達に与える影響について考えます。
日時 | 令和5年12月21日(木) 19時~20時30分 |
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会場 | うきは市総合福祉センター2階 大会議室 うきは市吉井町347-1 |
講師 | 筑紫女学園大学 人間科学部 人間科学科 准教授 大西 良 さん
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締め切り | 12/14(木)まで |
講師紹介
大西 良 氏
筑紫女学園大学 人間科学部 人間科学科 准教授
「子ども・若者の福祉と心理」をテーマに実践・研究活動を実施。
最近では、子ども食堂などの地域の居場所が子どもの心の安定に与える影響などに焦点を当てた調査研究や夜回り(アウトリーチ)の実践活動を通じて、居場所を求める子ども・若者の支援活動を行う。
申込み
うきは市社会福祉協議会
- 電話
- 0943-76-3977