福祉委員かわら版
207号 令和5年2月1日 発行まだまだ厳しい寒さが続き、自宅で過ごす時間が多くなります。このため、気にかけている方と外で会う、もしくは見かけることが減り、相手の様子を直接把握する機会が少なくなったと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前にも紹介しましたが、「郵便物が溜まっていないか」「電気がついているか」などといった相手の家の状況や生活の様子を外から気にかけることも見守りになります。
家の状況や生活の様子がいつもと違うことがありましたら、区長さんや民生委員さん、もしくは社会福祉協議会までご相談ください。
今年度もあと2か月となりましたが、福祉委員活動へのご協力のほど、よろしくお願いいたします。
冬の入浴中の事故に要注意!
寒い時期にお風呂に入っている時、めまいや意識がもうろうとした経験はありませんか。
毎年11月から4月にかけての時期、入浴中に意識を失い、そのまま浴槽でおぼれて亡くなってしまうという不慮の事故が発生しやすくなります。
特に65歳以上の高齢者による死亡事故が多く、その数は、交通事故死の約2倍の件数になるそうです。
今回は冬に起きやすい入浴中の事故について、消費者庁等の資料を元に紹介します。
冬に起きやすい入浴中の事故の原因
入浴中の事故が多くなる原因の一つとして、急な温度差による血圧の急激な変化があります。
例えば、温かい部屋から冷え込んだ脱衣所に移動して衣服を脱ぎ、浴室が寒いまま、浴槽に入ることにより、血圧が上下に大きく変動してしまいます。
この血圧の乱高下により、めまいや立ちくらみのような軽度の症状から重度になると呼吸困難や胸の痛みを伴い、最悪の場合、死に至ることもあります。
特に次の項目に該当する方は注意が必要です。
- 65歳以上の方
- 高血圧や糖尿病などの持病がある
- 狭心症や心筋梗塞などの病歴がある
- 熱いお風呂が好き
- 30分以上浴槽に浸かっている
- 飲酒後に入浴する 等
入浴中の事故を防ぐには
入浴中の事故を起こさないよう、次のような項目に注意しましょう。
1、入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
急激な温度の変化を避けるため、入浴前には暖房器具などを使い、脱衣所や浴室内を暖めておきましょう。
浴室に暖房設備がない場合は、シャワーから給湯すると、シャワーの蒸気で浴室の温度が上がります。また、浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜて蒸気を立て、ふたを外しておくことも効果的です。
2、湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
42度のお湯で10分入浴すると、体温が38度近くに達し、高体温などによる意識障害を起こす危険が高まります。
お湯の温度は41度以下にし、お湯につかる時間は10分までを目安にし、長時間の入浴は避けましょう。
お湯や部屋の温度、入浴時間などを把握できるよう、温度計やタイマーを活用することも事故の予防になります。
また、いきなり浴槽に入ると急激に体温が上昇し、心臓に負担がかかってしまいます。
かけ湯やシャワーで身体をゆっくり温めてから浴槽に入りましょう。
3、浴槽から急に立ち上がらない
浴槽から急に立ち上がると血圧が急に下がり立ちくらみを起こすことがあります。
浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりなどを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
4、食後すぐの入浴や飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
食後は消化器官に血液が集まり、血圧がやや低くなるため、食後すぐの入浴は避けましょう。
飲酒によっても一時的に血圧が下がったり、また、飲酒直後は転倒しやすくなります。
飲酒後はアルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。
また、体調の悪いときや、精神安定剤、睡眠薬などの服用後も入浴は避けましょう。
5、お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける
入浴中に体調の悪化などの異変があった場合は、家族などの同居者に早く気づいてもらうことが重要です。
そのためにも入浴前に家族にひと声かけてから入浴するようにしましょう。
また、同居の家族の方は、「入浴の時間が長く、音が全くしない」「突然大きな音がした」など何か異変を感じたら、声をかけるようにしましょう。
家族や地域の高齢の方、気にかけている方とお話しする機会がありましたら、今回紹介した内容についてもお伝えいただけたらと思います。
体調が崩しやすい時期がまだまだ続きます。皆さま体調には十分気をつけてお過ごしください。